【資格改正】施工管理技士補はどんな仕事ができる?級別に解説!
建設業界で代表的な資格として、施工管理技士があります。
施工管理技士とは、建設業における特定業種の技術を認定した国家資格で、次の7つの分野に分かれています。
- 土木
- 建築
- 電気
- 電気通信
- 管
- 造園
- 建設機械
この施工管理技士制度の改正にともない新しく生まれた資格、”技士補”が注目を集めています。
今回は技士補に関する概要と、1級・2級技士補が一体どんな業務に従事できるのか解説します。
施行管理技士改正で新しく生まれた”技士補”資格について
施工管理技士には2級と1級の等級があり、取得するには、それぞれ学科試験と実地試験に合格する必要がありました。
従来は第一字試験で落ちてしまっても再度チャレンジ可能、しかし第二次試験に2回落ちてしまうとまた第一次からやり直しというルールでした。
今回の改正で大きく変わったのは、第一次試験に受かった時点で”技士補”という資格が与えられるということです。
つまり施工管理技士は、どの試験に合格にしても次の通りの称号を得られる4段階の構成になりました。
- 1級の第二次検定…1級技士
- 1級の第一次検定…1級技士補
- 2級の第二次検定…2級技士
- 2級の第一次検定…2級技士補
いわば第一次試験を1度受けたら、第二次試験は何度でもチャレンジできることを担保するために技士補の資格が新設されたとも言えます。
技士補が従事できる仕事とは
施工管理技士制度は国家資格です。
そこで技士補という新しい資格が生まれたのなら、もちろん気になるのは「取得したらどんな仕事ができるの?」ということですよね。
こちらでは技士補がどんな業務を行えるのか、階級別に説明していきます。
1級技士補が従事できる仕事
結論から言うと、1級技士補は監理技術者のアシスタントとして、”監理技術者補佐”を務めることができます。
しかし、補佐とはどういうことでしょうか。
まず監理技術者は1級資格が必要となるのですが、そうすると、同じ会社で大規模の工事を2つ取った場合は1級取得者が2人必要ということになります。
ところが人手不足の建設業界において、1級資格者はそう多くありません。
そこで1級技士補を補佐として2人付けるなら、1人の監理技術者が2つの工事を監理して良いということになったのです。
このように2つの工事を1人で監理する監理技術者のことを”特例監理技術者”と呼びます。
1級技士補が従事できる仕事はつまり、この特例監理技術者の補佐ということになります。
監理技術者とは、建築業法(以下記載)に基づき現場に配置される技術者を指します。
建設業法第26条第2項
発注者から直接建設工事を請け負った特定建設業者は、当該建設工事を施工するために締結した下請契約の請負代金の額が、第三条第一項第二号の政令で定める金額以上になる場合においては、前項の規定にかかわらず、当該建設工事に関し第十五条第二号イ、ロ又はハに該当する者で、当該工事現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどるもの(以下「監理技術者」という。)を置かなければならない。
監理技術者の主な仕事は、施工計画の作成、品質管理、その他技術上の管理および作業者の指導監督です。
設計図通りに施工が行われているかチェックすると共に、図面では伝わらない細かな内容を現場に伝えるという役割も担っているため、監理技術者になるにはしかるべき資格を取得しなければなりません。
“管理技術者”と区別するため、”サラカン”と呼ばれますが、これは”監”に皿の字が付いていることによるものです。
2級技士補が従事できる仕事
2級技士補は、17歳以上で第一次試験に合格すると、実務経験ナシでも取得できる資格です。
いわば高校生でもなれるということで、一体どんな仕事ができるの…?と思いますよね。
そこで国土交通省に問い合わせたところ、回答は「現状、具体的にこれといったものはありません」でした。
今はあくまで技士補というポジションを新設しながら法律を整備し、建設業界へ参入してくる人の間口を広げるために取り組んでいるのですね。
ただ当然ながら、技士補の資格ができた以上、何らかの業務をあてがうことにはなるだろうとのことでした。
私の憶測では、1級技士補が監理技術者の補佐を務めるとなると、2級技士補は主任技術者に関連した業務に従事するのではないかと思います。
ただ高校生に可能な業務かと言われると疑わしいところですし、こればかりは先の展開を待つしかありません。
よって現状、2級技士補ができる仕事は特にないということです。
まとめ
今回は、施工管理技士制度の改正をテーマに、新ポジション”技士補”の概要と、技士補ができる業務について解説しました。
ポイントは次の通りです。
- 施工管理技士の各級の第一次試験に合格すると、”技士補”の称号が与えられるようになった
- 2級技士補は2.5級、1級技士補は1.5級のイメージ
- 1級技士補は特例管理技術者のアシスタント”監理技術者補佐”が務められる
- 2級技士補は現状、従事できる仕事がない
- 国家資格である以上、2級技士補も今後は何らかの業務があてがわれる可能性大
各試験の受験資格のハードルが下がり、技士補の資格も新設されたことで、今後は実務経験ナシでも建設業界へ参入しやすくなると予想されます。
興味のある人はぜひ、施工管理技士資格の受験を検討してみてください!
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