2025年改正建設業法|受注者にも拡大!原価割れ契約・著しく短い工期NG
2025年12月に建設業法が改正されたのを知っていますか?
建設業界によくある「安い契約」や「短すぎる工期」、請け負った方も違反対象になるよう、改正されています。
本記事では、2025年12月の改正建設業法の、原価割れ契約と著しく短い工期について解説。
改正の概要や、どこから判断されるのかを、詳しく紹介しています。
「改正したのを知らなかった」では済まされません。
どんなことに気をつけて工事を受注すればいいのか、ぜひこの記事で学んでくださいね!
「原価割れ契約」と「著しく短い工期」の禁止の概要

原価割れ契約・著しく短い工期を禁止するのは、職人の処遇改善が目的です。
そもそも職人の給料を上げるには、請負金額が低すぎるのが問題でした。
さらに3〜4か月で完工するような案件を、例えば1か月のようなワーク・ライフ・バランスを無視した工期も問題視されています。
二 建設業者による不当に低い請負代金による請負契約の締結の禁止
(前略)
請け負う建設工事を施工するために通常必要と認められる原価に満たない金額を請負代金の額とする請負契約を締結してはならないものとすること。三 建設業者による著しく短い工期による請負契約の締結の禁止
建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律要綱|国土交通省<https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001968882.pdf>
(前略)
請け負う建設工事を施工するために通常必要と認められる期間に比して著しく短い期間を工期とする請負契約を締結してはならないものとすること。
これらの違反は、もともと発注者が規制対象でした。
しかし2025年12月以降は、改正建設業法により受注者にも適用されます。
「こんな低い金額・短工期は、発注者が悪い!」とされていました。
しかし今後は「請け負った、受注者も悪い」とされます。
原価割れ契約の判断は?

しかし2025年12月の改正建設業法では、どうしたら原価割れ契約になるのか、具体的なことは書かれていません。
必要な経費とされる原価の種類については、下表のとおりです。
| 区分 | 項目 | 説明 |
|---|---|---|
| 直接必要な経費 | 労務費 | 作業者に必要な代金(標準労務費) |
| 材料費 | 工事に必要な材料の代金 | |
| 雇用に伴う経費 | 法定福利費 | 社会保険料の会社負担分など |
| 安全衛生経費 | 安全対策の経費 | |
| 建退共制度の掛金 | 職人の退職金の積立 |
標準労務費については以下の記事で解説しています。
2025年12月の改正建設業法から導入された「目安」のため、知らない人はぜひ読んでみてください。
なお2次下請け、3次下請けでも、契約金額が原価を下回る場合は違反です。
著しく短い工期の判断は?

著しく短い工期については、どのように判断するのでしょうか?
国土交通省の資料では、次の3つの事項について考慮すべきとしています。
- 工期全般にわたって考慮すべき事項
- 工程別に考慮すべき事項
- 分野別に考慮すべき事項
工期全般にわたって考慮すべき事項
以下の7つの事項は、工事において常に考慮する必要があります。
具体例とともに、表にまとめました。
| 考慮すべき事項 | 具体例 |
|---|---|
| 自然要因 | 梅雨や猛暑など |
| 休日・法定外労働時間 | 36協定で定められた時間を前提条件とする |
| イベント | お祭りや駅伝など |
| 制約条件 | 住宅街やスクールゾーンなど |
| 関係者との調整 | 自治会や電気・ガス・水道会社など |
| 行政への申請 | 警察への届け出や特殊車両通行許可など |
| 労働・安全衛生 | 勤務間インターバル |
例えば工期チェック時に、「ここは駅伝ルートだよね?」のように考慮すべき事項を確認されるでしょう。
工程別に考慮すべき事項
工程別のチェック事項は、以下の3つです。
- 準備
- 施工
- 後片付け
例えば、移動式クレーンや生コン車は15時に作業を終わらせる想定で工程を組む必要があります。
15時に終わらせる理由については、残業規制による建設業の変化について紹介した以下の記事をお読みください。
分野別に考慮すべき事項
建設業はさまざまな分野の工事があります。
- 住宅・不動産分野
- 鉄道分野
- 電力・ガス分野
例えば住宅の場合は、販売時期が決まっており、それよりも前に完成していなければなりません。
販売日から逆算して、いつから着手すれば間に合うのか計算する必要があるでしょう。
他にも、列車の遅延や電力・ガスの供給開始日など、分野別に考慮すべき事項があります。
これらを考えて工期を組まなくてはなりません。
原価割れ契約や著しく短い工期について改正後の影響は?

2025年12月の改正建設業法が始まる前までは、元請業者・発注者側のみ違反の対象となっていました。
しかしそれでは改善されなかったため、下請・受注者側にも適用されるように改正しています。
A社は1,000万円、B社は900万円で見積もり。
しかしどうしても受注したいC社は700万円で見積もりを出しました。
いくら発注側を規制しても、このような難しい側面もあったのです。
もちろん発注する元請もよくありませんが、見積もりを出した下請側にも規制が必要です。
価格競争に発展し、職人の給料が下がってしまうからです。
ただし新規参入業者にとっては、実績作りが難しくなるでしょう。
従来は価格面で戦っていましたが、下限が決められると厳しくなるためです。
さらに公共工事だけでなく民間工事のすべてを取り締まるのであれば、建設Gメンが不足するでしょう。
下請業者すべての契約をチェックする必要があるためです。
新規参入業者や建設Gメンの監査など、少なからず影響が出てくるのではないかと考えられます。
まとめ:原価割れ契約や著しく短い工期は、受注した下請も違反の対象になる!
原価割れ・著しく短い工期での契約は、発注者である元請業者が違反の対象とされていました。
しかし2025年12月の改正建設業法では、違反の対象は受注した下請業者にも拡大。
「請け負った会社も悪い」と判断されてしまいます。
ただし具体的なルールや細分化までは、不明点が残ります。
今後の国土交通省からの発表をよくチェックしておく必要があるでしょう。
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この記事の内容は、以下の動画で解説しています。あわせてご覧ください。