職人の適正な賃金はこれで決まる?CCUSレベル別年収の標準値
「適正な賃金って、結局いくらなのか分からない」
「CCUSのレベル別年収って、守らないといけないの?」
2025年の改正建設業法により、職人に払う適正な賃金が決められました。
しかし現場では、「どこまで意識すべきなのか」「下回ると問題になるのか」などの判断に迷うケースもあるでしょう。
そこで本記事では、CCUSレベル別年収の基本的な考え方から、「標準値」と「目標値」の違いを解説。
さらに考えられる今後の課題も紹介しています。
この記事を読むことで、適正な賃金の基準が整理でき、受発注時の判断に迷わなくなります。
不要なリスクを避けながら、適切な賃金設定を行いましょう。
「適正な賃金」の考え方

2025年の改正建設業法では、CCUSレベル別年収が適正な賃金の目安になるとされています。
さらに以下の資料では、レベル別年収について細かく基準を定義。
「労務費に関する基準」について|国土交通省<https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001971680.pdf>
CCUSのレベル別年収には、目標値と標準値の2種類の数値が設けられています。
目標値は目指すべき賃金の基準で、標準値は最低ライン・下限値です。
もしも年収が標準値よりも低ければ、ダンピングをしている可能性があると疑われてしまいます。
※ダンピングとは、原価割れでの受注や極端に短い工期など、不当廉売のことを指します
標準値を下回った場合は、建設Gメンや役所などが会社に対して注意・勧告を行う可能性があるでしょう。
ただし下回った場合の罰則は、まだ設けられていません。
目標値はあくまでも目指すべきゴール。
しかし標準値は下限であるため、受発注時には気をつけたいポイントです。
工種ごとのCCUSレベル別年収(標準値)

ではCCUSレベル別年収はいくらなのでしょうか。
地域ブロックごとに設定されているので、ここでは関東の事例を紹介します。
「労務費に関する基準」について|国土交通省<https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001971680.pdf>
例えば左官の場合、レベル1(見習い)では最低439万円で月に35万円の計算です。
一方でベテランとされるレベル4では、最低639万円で月に59万円の標準値が定められています。
| 能力評価分野 | レベル1(単位:万円) | レベル2(単位:万円) | レベル3(単位:万円) | レベル4(単位:万円) | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 標準値 | 目標値 | 標準値 | 目標値 | 標準値 | 目標値 | 標準値 | 目標値 | |
| 左官 | 439 | 615以上 | 464 | 683以上 | 563 | 776以上 | 639 | 839以上 |
標準値の値は、各工種の賃金下位15%程度の金額です。
ちなみに似たルールである標準労務費は、業者間取引での労務費についての規定です。
標準労務費は、国土交通省の設計労務単価と歩掛から算出されます。
標準労務費については以下の記事を参考にしてください。
CCUSレベル別年収を適正賃金化することの課題

賃金の下限として、CCUSレベル別年収を用いることに課題も挙げられます。
CCUSの年収が、完全に体系化されていない点です。
そもそもCCUSに対して、こんな意見をよく聞きます。
- お金を取られるばっかりだ
- 手続きなどが面倒くさい
- 何の意味があるのか分からない
厳しい意見、さらには以下のようなレベル分けに対する疑問も挙げられています。
技術のない人でも、資格を多く持っていればレベル4になれます。
このレベル分けについては懐疑的な意見も多く見られますよね。
公共と民間では、CCUSの導入状況も違います。
さらに土木と建築でも、導入状況や規模などが変わってくるでしょう。
このような状況の違いについて解決しないまま、CCUSレベル別年収を使うことにも課題が感じられます。
まとめ:CCUSレベル別年収の標準値は賃金の下限ラインになる
改正建設業法により、CCUSレベル別年収は「適正な賃金」の目安として扱われるようになりました。
中でも標準値は賃金の下限ラインとしての意味を持ち、これを下回る場合はダンピングの疑いを持たれる可能性があります。
一方、目標値はあくまで到達を目指す水準であり、必須条件ではありません。
ただし、標準値を下回った場合でも現時点では明確な罰則はなく、行政による指導や勧告にとどまるでしょう。
また、CCUSのレベル分けや導入状況にはばらつきがあり、制度として未成熟な側面も残されています。
今後はCCUSの普及とともに、より現実に即した賃金基準として定着していくかが重要なポイントになるでしょう。
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2025年改正建設業法の他の改正内容について知りたい人は、以下の記事も参考にしてください。
この記事の内容は、以下の動画で解説しています。あわせてご覧ください。



