派遣社員は大手ゼネコンの人手不足解消になる!正社員数は横ばいでも増える派遣数
大手ゼネコンでも、派遣社員として働くことは可能です。
人手不足で、正社員数は横ばいの大手ゼネコン。
しかし、派遣社員の数は増え続けていることをご存知ですか。
本記事では日建連(日本建設業連合会)の公表した資料を基に、ゼネコンで働く派遣社員の割合を解説します。
最新の調査では、派遣社員の割合は16.3%であり、大手ゼネコンで働く6人に1人が派遣社員です。
派遣社員は建設業の人手不足問題を支える1つの手段です。
具体的な人数や派遣社員の今後をこの記事で学んで、建設業界の「今」を知りましょう。
大手ゼネコンの総従業員数は約11万6,600人
日本建設業連合会では、建設業者の構成や企業経営など、建設業の現状に関する数値を公表しています。
2022年、大手ゼネコン33社の総従業員数は11万6,600人です。
通称、日建連。
大手ゼネコン上位100社以上が加盟している団体です。
従業員数のうち、施工管理のような技術職は何割でしょうか。
職種は以下の3種類に分けられます。
- 事務職
- 技術職
- 技能職等
それぞれの職種の割合と、総従業員数を表したグラフは以下の通りです。
- 施工管理のような技術職が約83,600人で(71.7%)
- 職人のような技能職は約6,200人(5.3%)
- 経理や総務のような事務職は約26,800人(23%)
ただし、この数値には21,500人の派遣社員は含みません。
大手ゼネコンには、11万6,600人とは別に21,500人の派遣社員がいます。
ゼネコンの人手不足解消として約16%の派遣社員
建設業ではすでに深刻な人手不足が起こっています。
2024年から残業規制が始まり、1人あたりの働ける時間が減ったことで、さらに追い打ちがかかりました。
人手不足と残業規制の関係については下記記事で解説しています。
人手不足を解消するために、建設業では派遣社員を雇っています。
技術職と事務職の人数から算出される派遣社員の割合は、16.3%です。
※技能職は派遣が禁止されているため計算から除外
16.3%、つまりゼネコンで働く6人に1人が派遣社員です。
高い割合で派遣社員が雇用されており、その理由の1つは人手不足だと言えます。
株式会社ライズでは、建設業の派遣事業を行っています。
派遣事業に携わっている体感で言うと、派遣社員の割合はもっと高いのが現状です。
大手ゼネコンで16.3%の割合であり、中小企業ではさらに派遣社員の割合が増えます。
人手不足のゼネコンが派遣社員を直接雇用する場合も
大手ゼネコンに派遣されたとしても、雇用が切り替わり正社員になるパターンもあります。
雇用の切り替えを積極的に行っている会社もあるからです。
さらにゼネコンの従業員・正社員の中には、派遣から転籍した人も多くいます。
統計上はゼネコン側の従業員としてカウントされていますが、この数を派遣社員と加味するとかなりの比率になります。
会社にもよりますが、20%を超える場合もあるでしょう。
ゼネコンの従業員数は派遣社員を除くと人手不足の横ばい状態
大手ゼネコンの従業員数は、多少の増減はあるものの横ばい状態と言えます。
2013年に約9万8,500人の最低人数を記録してから毎年微増しかしておらず、横ばい状態です。
正社員の従業員数は横ばいですが、派遣で働く人は増加しています。
今後も派遣社員の比率は高くなる上に、派遣からゼネコンへ転籍する人も増えるでしょう。
建設業界全体の派遣率はどんどん上がり、大手ゼネコンの人手不足を支える1つの手段になります。
まとめ:ゼネコンの人手不足を派遣社員が支えている
建設業では人手不足解消のために、様々な解決策を講じています。
その1つが派遣社員の雇用です。
- 大手ゼネコン33社には総従業員数11万6,600人
- 総従業員数とは別に21,500人の派遣社員
- 6人に1人となる16.3%の割合で派遣社員が雇用されている
- すでに正社員である人の中には派遣から転籍した人も多い
- 大手ゼネコンの従業員数は横ばい
技術職の人手不足についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
合わせてお読みください。
この記事の内容は、以下の動画で解説しています。あわせてご覧ください。