大手と中小の道路会社の違いって?実態や仕事内容、工事の進め方を紹介

道路工事を行う、土木建設会社。
大手と中小(地場企業)では、どのような違いがあるかご存知ですか。
就職や転職で、どちらにすべきか悩んでいる人もいるでしょう。
中小の道路会社は、公共工事(国や県)からの受注割合が高い傾向にあります。
そのため以下の特徴を持ちます。
- 残業が少ない
- 災害工事対応がある
- コスト管理
本記事では、株式会社ごんだの6代目社長である権田さんに体験談を伺い、大手と中小の違いについて紹介します。
すべての大手と中小の道路会社が当てはまるとはいえません。
しかし1例として知っておくと、就職・転職先の決定にも活用できますよ。
大手道路会社の実態
大学卒業後、大手道路会社へ新卒入社した権田さん。
権田さんに、10数年前の大手道路会社の実態を教えてもらいました。
- 仕事内容
- 儲からない工事
- 同時並行工事
- 残業に追われた1日
- しっかりもらえた給料
以上の5点を、詳しく説明します。
実態①:入社当時の仕事内容は駐車場の舗装工事
最初の仕事は、アパートの駐車場の舗装工事でした。
国道や県道を舗装するだけが仕事ではありません。
コンビニやアパートの駐車場の舗装も、道路会社に依頼されます。
権田さんのいた大手道路会社では、物流関係の仕事が多くあったそうです。
最初の配属先は静岡県浜松市。
その後は山梨県に配属先が変わり、ドラッグストアの工事を年間で5件ほど担当しました。
実態②:儲からないので外構工事はしない
建物周辺の設備を工事する、外構。
外構工事は儲からないので、大手道路会社では舗装工事のみ請け負っていました。
道路会社は、舗装も外構も一緒に行うイメージが強くあります。
発注側としても、駐車場の舗装からフェンスや柵などの外構まで一括でお願いしたいでしょう。
しかし舗装工事と外構工事は、別の業種です。
経費もかかってしまうため、権田さんのいた大手道路会社では外構工事を受注していませんでした。
実態③:同時並行で工事を進める
大手道路会社には、以下の特徴があります。
- 受注数が多い
- 発注までのスパンが短い
- 短工期(1~2週間)
そのため、同時に3件の工事をこなすこともあったそうです。
例えば、コンビニとドラッグストアと洋服店の舗装工事を同時期に施工するイメージです。
担当者不在で工事を進めてもらうケースもあり、業者の監督にはよく怒られました。
民間工事だからこそできた、同時施工の舗装工事といえます。
実態④:残業の多い1日のルーティーン
権田さんが配属されたのは、富士河口湖。
現場は甲府周辺であるケースが多く、1時間かかって移動していました。
当時のルーティーンは、画像のとおりです。
朝礼は8:00開始のため、逆算して6:30には出社です。
3件ほど並行して工事施工しているため、出られない朝礼もあります。
「絶対に朝礼に出てください」と決められた現場を優先し、下請業者の責任者にも依頼するなどしてコントロールしていました。
現場での仕事内容は、以下のとおりです。
- 作業の進捗確認
- 問題への対応
- 段取りを決める
- 材料の確認
- 写真撮影
これらの作業を17時まで行ってから、事務所へ戻ります。
事務所へ戻ってきて、やっと書類作成します。
終わるのは21~22時だったそうです。
現在は建設業でも厳しく残業が規制されています。
詳しくは以下の記事から、最新の情報を学んでください。
土曜日も100%出勤し、繁忙期は日曜日も休みがない状態でした。
10数年前はこのような状況も多く、ブラックな働き方が当たり前になっていたといえます。
実態⑤:残業が多いので給料が良い
10数年前は、新卒入社の給与は月額20万円でした。
しかし残業や休日出勤から、1番多かったときで額面50万円ほど稼いでいたそうです。
震災復旧に携わり、1日12時間以上働いていました。
人々の移動手段であるJRの復旧工事だったため、急ぐ必要がありました。
そのため長時間労働となり、50万円稼いだそうです。
入社2~3年目でも、年収550万円ほどになりました。
ただし残業はとにかく多かったと、権田さんは振り返ります。
大手と中小の道路会社の違い
現在は株式会社ごんだの社長として、経営管理する権田さん。
大手と中小の道路会社ではどのような違いがあるか、以下4点を教えてくれました。
- 提出する書類
- 若手の育成方法
- コスト管理
- 担当する工事数
違い①:提出する書類
道路会社の受注先が、民間と公共では、提出する書類に違いがあります。
民間主体だと、写真くらいしか提出する書類がなかったそうです。
標準仕様書も、明確な決まりがありません。
路盤や舗装の厚みなどの管理は必要ですが、民間工事では必須事項が少ないといえます。
共通仕様書や管理基準は自社で作ります。
受注先によってルールは違うものの、公共事業よりも民間工事は、提出書類が少ないといえます。
違い②:若手の育成方法
人手不足の建設業。
若手の力に頼るためにも、育成は必須です。
大手道路会社では若手は放置されていた、と権田さんは語ります。
1日目の右も左も分からない状態で、舗装の現場に投げ込まれたそうです。
4月に入社したときにいた同期100名は、半年で50名ほどになり、1年で30名まで減りました。
「ふるいにかけている」印象ですよね。
ふるいにかけるほどの人数を採用できない時代です。
現在では丁寧に育成しているのではないか?と想定されます。
一方、株式会社ごんだでは、若手に対する指導の徹底をアップデート。
バブル期の古い価値観を捨てて、丁寧に指導しています。
小さな会社だからこそ、方法や手段はすぐに変えられます。
時代の変化に合わせた、若手の指導を深められる体制です。
違い③:コスト管理
コスト管理の方法も、大手と中小の道路会社では違います。
大手の方が厳しかった、と権田さんは振り返ります。
- 下請業者外注費
- 材料費
- 人件費
このようなコストは、大手道路会社では厳しく管理されていました。
株式会社ごんだでは、ここまで厳しいコスト管理はしていません。
コスト削減に力を入れすぎる必要もないためです。
外注費を削りすぎて「見積額が合わないのでやめます」と言われる方が、もっと困ります。
大手と比べて、中小の道路会社ではコスト削減をするメリットは、そこまで大きくありません。
中小の道路会社がコスト経営転換に成功した方法は、以下の記事で紹介しています。
経営に興味のあるかたは、あわせてご覧ください。
違い④:工事の見方
大手道路会社のように複数の工事を並行するケースは、中小道路会社ではありません。
大手道路会社では、単価が非常に安い特徴があります。
そのため、複数工事を並行して施工できます。
中小の道路会社である株式会社ごんだでも、合材プラントと単価契約はしているものの、大手に勝てるほど安くないそうです。
10数年前の話ではありますが、大手に価格で勝つのは難しく感じているそうです。
単価に違いがあるため、中小の道路会社では基本的に1つの現場を担当します。
「株式会社ごんだ」の実態
中小の道路会社である、株式会社ごんだ。
大手道路会社と比べて、残業事情や災害工事対応に特徴があります。
実態①:残業事情
地場のゼネコンや建設会社では、残業が少ない会社が増えました。
株式会社ごんだでも、月平均6時間の残業です。
行政側が休まなければならないため、公共事業主体の地場企業は残業が減っています。
残業の少ない地場企業については、こちらの記事でも紹介しています。
発注者である行政が規制をしているので、受注者である中小の道路会社も残業する意味がありません。
実態②:災害工事
地場ゼネコンや建設会社は、災害時に出動要請がきます。
防災協定を結んでいるためです。
一昨年に発生した豊橋市周辺でのゲリラ豪雨でも、株式会社ごんだは復旧工事対応をしました。
株式会社ごんだが位置する新城市でも、地滑りによる被害が出たためです。
地場の建設会社は、インフラといっても過言ではありません。
さまざまな災害時に、出動して復旧工事を行っています。
あまり表に出る話ではありませんが、災害時に対応する地場の建設会社はとても大事です。
まとめ:大手と中小の道路会社では受注先が違うので仕事内容も大きく変わる!
大手の道路会社と、中小の道路会社では受注先が異なります。
受注先に合わせた働き方になるため、残業や仕事の進め方が変わります。
ぜひ就職や転職時の選択肢として、地場の中小道路会社も検討してください。
この記事の内容は、以下の動画で解説しています。あわせてご覧ください。