株価・国内シェア・利益率で見るスーパーゼネコン|0.1%の実力は?
建設業界で、「スーパーゼネコン」のワードを聞いたことがある人はほとんどです。
しかしその実態を数字で理解している人は、意外と少ないかもしれません。
実は、全国の建設会社のうち、スーパーゼネコンはわずか0.1%以下の存在。
それでも、国内工事市場の約2割を握り、数兆円規模のビジネスを動かしています。
そこで本記事では、株価・国内シェア・利益率の3つの視点から、スーパーゼネコンの強さを読み解いていきます。
「スーパーゼネコンってよく理解できていないかも」
そう思う人は、ぜひ最後まで読んでみてください。
スーパーゼネコンの1年間の株価上昇率を比較

スーパーゼネコン5社のうち、非上場の竹中工務店を除いた4社の株価を見てみましょう。
2024年1月5日時点、直近1年間の上昇率は以下のとおりです。
| 会社名 | 上昇率 | 株価(2024年1月5日時点) |
|---|---|---|
| 鹿島建設 | +約66% | 2,450円 |
| 清水建設 | +約40% | 962円 |
| 大林組 | +約33% | 1,268円 |
| 大成建設 | +約23% | 5,016円 |
同時期の日経平均株価の上昇率(約27%)と比較すると、各社の勢いの差が鮮明になります。
上昇率でトップに立ったのは鹿島建設であり、日経平均を大きく上回る驚異的な伸びを見せています。
一方で、大成建設は唯一、日経平均の上昇率を下回る結果となりました。
スーパーゼネコンの株価に差がつく理由

なぜこれほど差が開いたのでしょうか。
鹿島建設が突き抜けた理由は、価格競争や多様性によるものです。
自社のミスによる修繕は、投資家心理にも影を落としました。
理由①:工事損失引当金が抑えられている
鹿島建設は、工事引当金(損失の引当)が他社の約3分の1に抑えられています。
2023年3月期で、鹿島建設は140億円程度。
しかし残りの3社は、500〜600億円ほどです。
工事のトラブルや原価超過に備えて積み立てる、損失の見込み額。
引当金が大きいほど、現場でのリスクが顕在化しているサインでもあります。
資材高騰のような、避けて通れない損失もありますが、ここを抑えられるのは大きな理由です。
理由②:価格競争に参加しなかったから
東京オリンピック後の受注競争で、他の3社が値下げに動きました。
一方で鹿島建設は、選別受注を貫いたため、過度な値下げをせずに済んでいます。
理由③:案件の多様性
鹿島建設では半導体工場や病院など、ビル・マンションとは異なるノウハウが必要な案件で存在感を発揮しています。
この差別化により、収益の安定を確保。
さらに不動産のように工事以外の収益比率も高く、業績の安定感につながっています。
スーパーゼネコンの国内工事シェア率

「0.1%以下の企業群が、国内市場の約2割を取る」
これが日建連に加盟する、大手ゼネコン・スーパーゼネコンの現実です。
2022年度の受注合計は約16兆9,000億円。
単純平均(93社)で、1社あたり1,800億円超になります。
さらに2024年度には、受注合計は約19兆3,000億円と、20兆円に迫る勢い。
企業経営|一般社団法人日本建設業連合会<https://www.nikkenren.com/publication/handbook/chart6-2/index.html>
現在の国内シェアは20%程度ですが、かつては30%を超えていた時期もありました。
企業経営|一般社団法人日本建設業連合会<https://www.nikkenren.com/publication/handbook/chart6-2/index.html>
業界全体の工事量が増えるなかでも、上位集中の構造は根強く続いています。
0.1%以下の数の企業が、ほぼ2割のシェアを取っているのが現状です。
スーパーゼネコンの経営状況・利益率

スーパーゼネコンの経営状況を、売上高総利益率と売上高営業利益率で見てみましょう。
粗利のこと。
例えば1億円の工事を下請に払うなどし、1,000万円余ったとします。
この場合は10%が売上高総利益です。
企業経営|一般社団法人日本建設業連合会<https://www.nikkenren.com/publication/handbook/chart6-2/index.html>
おおよそ直近では、売上高総利益率は10%。
この売上高総利益(粗利)から本社の人件費・家賃・販管費などの経費を引いたのが、売上高営業利益率。
過去と比べてやや改善傾向にありますが、約4%です。
建設業の利益構造の薄さを端的に示す数字でもあります。
まとめ:スーパーゼネコンの株価や経営の強さは「選び方」にある
株価・シェア・利益率。
どの数字を見ても、スーパーゼネコンの存在感は圧倒的です。
なかでも今回浮かび上がったのは、「何を・どう受注するか」という選択の差。
価格競争に参加せず、工事品質と案件の多様性を武器にした鹿島建設が株価66%増を記録した事実は、スーパーゼネコンの奥深さともいえるでしょう。
スーパーゼネコンである鹿島建設の採用条件についても解説しています。
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この記事の内容は、以下の動画で解説しています。あわせてご覧ください。



