大手建設コンサルタントでは技術士が必須資格!現役社員が語る試験対策

建設業界でキャリアを築く上で、資格取得は重要なステップの1つです。
社会インフラの計画・調査・設計・管理などを担う建設コンサルタントでは、技術士は必須資格となっています。
本記事では、大手建設コンサルタントに勤務するツーブロさんのインタビューを元に、技術士について深掘りします。
「技術士ってどんな位置づけなのかな?」
「どの専門分野・科目を選べばいいのかな?」
このように疑問がある人は、ぜひ最後までお読みください。
技術士は「運転免許」と建設コンサルタントでいわれている
大手建設コンサルタントでは、技術士の資格は必須です。
ツーブロさんは「技術士は運転免許と同じ!」と言われたエピソードを教えてくださいました。
建設コンサルタントにおける技術士の重要性
現場監督や施工管理では、1級施工管理技士の資格が求められます。
一方、建設コンサルタントでは、技術士の資格が必要です。
ツーブロさんは技術士の第一次試験を入社1年目、第二次試験を入社4年目で受けました。
「運転免許だ!」の解釈
ツーブロさんは先輩に「技術士は運転免許だ!」と教えられました。
これは、技術者として生きるために必要な資格である、の意味です。
技術士の合格率は10%台。
決して、「運転免許のように当たり前の資格だから落ちるな」の意味ではありません。
技術士補は建設コンサルタントでも必要か
技術士補は、技術士の一歩手前の資格です。
ツーブロさんは技術士補を社会人1年目で取得しています。
技術士補とは
技術士補は、技術士第一次試験の合格と同等です。
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技術士第一次試験に合格された方又は文部科学大臣が指定した大学その他の教育機関における課程(JABEE認定課程)を修了した方(修習技術者)は「技術士補」となる資格を有しています。
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工学系の大学や高等専門学校などでJABEEが認定するプログラムを修了すると、技術士補の資格が得られます。
参考:技術士法第三十一条の二第二項及び第三十二条第二項の規定に基づく教育課程及び対応する技術部門の指定について|文部科学省
ツーブロさんは理工学部を出ていて認定プログラム対象ではなかったため、技術士第一次試験を受験しています。
在学中にJABEE認定プログラムを修了すれば、技術士補(技術士第一次試験)の受験は免除です。
技術士補の試験対策
ツーブロさんはマークシート方式が苦手なため、第一次試験は必死に勉強したと振り返ります。
技術士補の問題集1冊分、みっちりと勉強したそうです。
期間:4~5か月
頻度:週に2~3日
1日あたり:1~2時間
同期3人で一緒に試験対策を始め、全員1発で合格しています。
建設コンサルタントに勤める人の技術士試験対策
ツーブロさんの場合、第二次試験は思い出せないくらい勉強していないそうです。
「あまり参考にならないかも」と言いながらも、当時の体験を語ってくださいました。
技術士の試験対策
試験対策として、参考書を使って勉強したそうです。
1問目について現在は記述式ですが、当時はマークシート形式でした。
マークシートが苦手なため、3か月間は勉強したとツーブロさんは振り返ります。
入社4年目のため、業務にも追われ毎日勉強の時間は確保できませんでした。
追われていた理由の、クレーム対応していた業務内容が技術士試験に出題。
「まさに今やっていることだ!」と思い、解答できたとツーブロさんは教えてくださいました。
建設コンサルタントに勤めていると、業務そのものが試験対策になっているとも感じるそうです。
技術士は勉強しても受からないほどの難関資格です。
技術士のすごさ・難易度については、以下の記事をお読みください。
建設部門専門科目の選択は重要
建設部門の中にはいくつかの専門科目があります。
- 都市および地方計画
- 河川・砂防および海岸・海洋
- 電力土木
- 道路
- 建設環境
これは一例であり、2025年5月現在建設部門には11の専門科目があります。
担当部署や受注する仕事によって、必要な専門科目が変わります。
ツーブロさんは建設環境のときはそんなに勉強しなかったそうですが、河川・砂防および海岸・海洋は3回も受験したそうです。
会社や部署によって求められる専門科目は変わるので、真剣に選ぶ必要があります。
建設コンサルタントでは総合技術監理部門の技術士は必要か
ツーブロさんは建設部門の技術士を持っています。
それに加えて、総合技術監理部門の取得を目指しています。
総合技術監理部門とは
総合技術監理部門は他の部門よりも、長い実務経験を必要としています。
それほどに難しい資格といえ、ツーブロさんも4~5回落ちていると話します。
大手建設コンサルタントにも合格者は少ないそうです。
総合技術監理部門を取るとどうなる?
総合技術監理部門を取得するメリットは、ほとんどありません。
九州地方では少し加点される、と噂に聞く程度だとツーブロさんは話します。
箔付けのような立ち位置であるそうです。
土木の世界を学べる「ドボ・シティ」
ツーブロさんは技術士としての専門性を活かし、土木業界の魅力を広めるユニークな活動も行っています。
それが、カードゲーム「ドボ・シティ」の開発です。
インフラを整備して街を発展させ、復旧工事や防災対策に取り組みます。
ドボ・シティ開発の背景
「土木と街の関係を身近に感じてもらいたい」との思いで、ドボ・シティは作られました。
ツーブロさんの他にも、ナカジーさんやよっしーさん、その他土木学会のメンバーで開発・作成。
土木という仕事を広める目的があります。
全国162校の工業系高校にも無料で配布し、「楽しかった」と嬉しい声を頂いています。
ドボ・シティのゲーム内容
トランプの大富豪やUNOのようなゲームである、とツーブロさんは説明します。
ゲームで遊びながら、土木の知識を身につけられます。
例えば道路を発展させると、高速道路になり街が大きくなります。
他にも以下のドボクカードを用意。
- トンネル
- 鉄道
- 港
- 空港
- 橋
これらを発展させていくゲームです。
1対1で戦い、先に村から大都市にレベルアップしたほうが勝ちです。
災害発生時に土木が役に立っていると知ってほしい、とツーブロさんは語ります。
ドボ・シティに興味がある人は、ツーブロさんのXよりDMを送ってくださいね。
建設コンサルタント業界の魅力
ツーブロさんから、建設コンサルタント業界の魅力や仕事についてお聞きしました。
頂いたコメントを紹介します。
建設コンサルタントの仕事といっても、私が土木ではないように、色々な業務があります。
例えば私は環境ですが、その分野だけでなく、工事内容や事業全体のことまで考えて仕事にアプローチしなければなりません。
建設コンサルタント業界では様々な人が活躍していて、土木以外の機械の方や、環境分野では生物を専門にしている方、文系出身の方もいます。
そういった意味で、建設コンサルタント業界は門戸を広げていて、皆さんの力が必要な業界だと思います。
色々な人が来ることで新しい風を吹き込んでいただきたいので、ぜひ挑戦してください!
大手建設コンサルタントの人物像や道のりについては、以下の記事で説明しています。
あわせてお読みください。
まとめ:建設コンサルタントは技術士取得が必須!
大手建設コンサルタントに勤めるには、技術士は必要な資格です。
仕事が技術士の試験勉強になる面もあり、経験が資格に直結します。
合格率は10%台と難しい資格ですが、ぜひ挑戦してみてください。
大手建設コンサルタントの勤務実態については以下の記事で説明しています。
業界に興味を持った人は、あわせてお読みくださいね。
この記事の内容は、以下の動画で解説しています。あわせてご覧ください。