施工管理技士1級までの最短コースと勉強法!学生・社会人別に紹介
この記事は以下の記事の続きです。
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「未経験から施工管理技士1級を目指すにはどれくらいの年数がかかる?」
「30歳前までに施工管理技士1級を取得するならいつから始めたらいい?」
そんなお悩みをお持ちの方に向けて、今回は1級取得までの最短コースを現役高校生・大学生・社会人の3つに分けて紹介します!
1発合格を狙うための効率的な勉強法についても解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
ケース1:17歳(高校生)が1級技士になるための最短コース
こちらは17歳で普通科の高校に通っている学生のケースです。
施工管理技士の2級技士補は、資格改正を受けて17歳以上であれば誰でも受けられるようになりました。
よって、2級技士補からスタートし、2級技士、1級技士補と、階級を順に受けて、1級技士を目指した方が良いと思います。
その方が知識をくまなく学べますし、必要な勉強も分散できるからです。
ではまず、18歳で2級技士補を取得できたとしましょう。
ここからは最終学歴が高卒か大卒かによって経験年数の条件がついてきます。
この学生が普通科の高校卒であれば、2級技士になるために必要な実務経験は高校卒業から4年半です。
となると、23歳~24歳くらいには2級技士が取れるでしょう。
次は1級技士補ですが、こちらは2級技士に合格すれば翌年には受けていいということになっています。
つまり24歳~25歳には1級技士補になれますね。
ただ、最終ゴールの1級技士を取るには、2級合格後の実務経験5年が必要となりますので、1級技士が取れるのは早くとも29歳です。
よって、17歳から1級技士を目指すのであれば、30歳前後には達成できるでしょう。
ケース2:20歳(大学生)が1級技士になるための最短コース
こちらは20歳で文系の大学に通っている学生のケースです。
2級技士補は最短で21歳には取れますので、大学卒業時には間に合うということになりますね。
次に、専門学科ではない大学卒の場合、2級技士になるには1年半の実務経験が必要です。
高卒の場合は4年半でしたから、3年程度の差ですね。
22歳で大学を卒業し、すぐに2級技士を受けたとしたら24歳~25歳には取れるでしょう。
また、2級技士に合格すれば1級技士補はすぐ受けられますから、25歳~26歳には取得できるはずです。
1級技士を受験するにあたっては、大卒であっても2級合格後5年の実務経験が必要となります。
そう考えると、29歳~30歳には1級技士が取れるという見込みで良いでしょう。
高卒者と大卒者、最短コースのゴールは同じ!?
こう見てみると、高卒者も大卒者も早くて30歳前には1級技士になれるとの結果になりました。
実は高卒者の大卒者でタイムラグが発生するのは、2級技士を受ける際に必要な実務経験が4年半か1年半かという点のみなのです。
ただ、高卒者は大卒者より約3年早く受験を開始しているわけですから、実質の差はほとんどありません。
よって、17歳からスタートした人と20歳からスタートした人、両者ともに30歳手前には1級技士を取れるという結果になりました。
ケース3:25歳(社会人)が1級技士になるための最短コース
こちらは高校も大学も専門学科を出ていない、25歳社会人のケースです。
まず、26歳で2級技士補が取れます。
その後、高卒の場合は2級技士受験に必要な実務経験が4年半なので、30歳~31歳には2級技士が取れる計算となります。
2級技士に合格した後はすぐ1級技士補が取れるので、31歳~32歳には1級技士補が取れますね。
ここからは高校生・大学生と同じで、1級技士受験に必要な実務経験は2級合格後の5年なので、35歳~36歳には1級技士になれるでしょう。
25歳(社会人)が文系大学卒だった場合
一方、25歳社会人が文系の大卒だった場合は次の通りになります。
まず、26歳で2級技士補が取れます。
最終学歴が大学の場合は、2級技士受験に必要な実務経験は1年半なので、27歳~28歳には2級技士が取れるでしょう。
1級技士補はすぐ受けられますので、28歳~29歳には1級技士補を取得。
1級技士受験に必要な実務経験は2級合格後の5年なので、32歳~33歳には1級技士になれるはずです。
資格改正で施工管理技士は取りやすくなった?
それぞれのモデルケースを見てきましたが、いずれにせよ施工管理技士は、改正を受けて取得しやすい資格になりました。
以前は、学科試験と実地試験がワンセットになっていたため、実地がうまくいっても、学科がうまくいかなければその時点でアウトという厳しさがありました。
しかし現在は学科と実地が分かれて、2級技士補、2級技士、1級技士補、1級技士と4段階になったことで、合格しやすくなったのです。
特に2級技士補は未経験でもチャレンジできるため、ひとまず受かってから今後の方針を考えることもできます。
また、施工管理技士はれっきとした国家資格です。
そんな資格の間口が広がったことは、今後の受験者にとって喜ばしいことではないでしょうか。
最短で施工管理技士を取得するための勉強法
ここまでを読んで「施工管理技士にチャレンジしてみたい!」と思った方もいるでしょう。
そんな方のために、こちらでは最短で施工管理技士に合格するための勉強法を、2級技士補~1級技士補まで順に紹介します!
2級技士補
2級技士補は、7種類ある施工管理技士の中で1番難易度の低いものなら、1カ月きちんと勉強すれば問題なく受かると思います。
施工管理技士資格は、施工管理の対象物によって次の7種類に分けられています。
- 土木(土木施工管理技士)
- 建築(建築施工管理技士)
- 管(管工事施工管理技士)
- 電気(電気工事施工管理技士)
- 電気通信(電気通信工事施工管理技士)
- 造園(造園施工管理技士)
- 建設機械(建設機械施工管理技士)
このうち2021年度の施工管理技士2級 第1次検定で最も合格率が高かったのは75.2%の”建設機械”、次点で72.5%の”土木”でした。
2級技士補のための勉強法は、一般的な資格の勉強と同じで、過去問をとにかく解くことです。
過去10年分を繰り返し解けば、3~4回目には問題内容すら覚えてしまいます。
そうすれば問題傾向も自ずと掴めるでしょう。
特に土木に関しては参考書は特に必要なく、問題集の活用をオススメします。
ただ、最近は学科も出題形式が変わっている部分があるようなので、その点のみ意識して傾向と対策を行ってください。
2級技士
2級技士(第二次検定)で最も手を焼くのが”経験記述問題”でしょう。
これは自分が携わった工事に関して、お題に応じた記述を行う問題です。
たとえば「あなたが経験した現場において工夫した安全管理(品質管理・工程管理)について答えなさい」のような問題が出題されます。
今まで主流だった勉強法は、市販の問題集に掲載されている模範解答の作文を少しアレンジして丸暗記するというものでした。
しかし実務経験を虚偽する不正事件があったことで、2021年以降の第2次検定は丸暗記で対応できないようにすると国土交通省が提言しています。
具体的にどのように変わるのかはまだわかりませんが、経験記述問題に関しては次のような対策が望ましいでしょう。
- 自分が携わった工事のどの部分を聞かれているのかを見極めた上で、端的な文章を書く
- 記述分を資格合格者の方にチェックしてもらう
その他の試験に関しては、基本的には知識問題になります。
複雑な計算問題などはありませんので、建設関係の用語をきちんと抑えておけば問題なく合格できるはずです。
1級技士補
2級技士を取ると、翌年には1級技士補が取れるということもあり、すぐにでも合格したいのが皆さんの本音でしょう。
しかし過去問を見てもわかるとおり、1級となるとやはり専門性も難易度も段違いです。
付け焼刃では受からないため、勉強期間としては半年間を見ておきたいところ。
仕事をしながら受ける方は特に、少し余裕を見ておいた方がいいでしょう。
勉強法のポイントとしては、専門用語の意味を先に抑えることです。
1級技士補では「問題文の意味がそもそもわからない!」ということも多いです。
しかし、知らないカタカナ用語をがむしゃらに覚えるのは得策ではありません。
それよりも、もとになっている英語の意味を調べた方が「だからこの機械はこんな名前なんだ」と記憶に結びつきやすいはずです。
裏を返せば、1級技士補は各用語の意味さえ理解できれば、比較的楽に合格できると思います。
また、質問を出してくれるような仲間を募るなど、周りを巻き込んで勉強する方法も良いでしょう。
まとめ
今回は1級技士までの最短コースと効率的な勉強法を紹介しました!
記事内で取り上げた各級の最短取得年齢は次の通りです。
年齢 | 2級技士補 | 2級技士 | 1級技士補 | 1級技士 |
17歳(高校生) | 18歳 | 23~24歳 | 24~25歳 | 29歳 |
20歳(大学生) | 21歳 | 24~25歳 | 25~26歳 | 29~30歳 |
25歳(社会人・高卒) | 26歳 | 30~31歳 | 31~32歳 | 35~36歳 |
25歳(社会人・大卒) | 26歳 | 27~28歳 | 28~29歳 | 32~33歳 |
※学校はすべて普通科とする
資格改正を受けて、施工管理技士は非常にチャレンジしやすい資格になりました。
学生の方はもちろん、現在社会人で未経験の方も、施工管理の世界へ飛び込む足がかりにしてはいかがでしょうか。
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