2024年から1次検定前の実務経験は無効に?新制度の施工管理検定を解説
“新制度の施工管理検定“について、動画に寄せられた皆さんのコメントを次の3つのテーマに分けて紹介しています。
- 今までの実務経験で2次検定は受検可能?
- 指定学科卒って有利じゃない?
- 旧「学科試験」に合格してたら技士補になれる?
ぜひチェックしてみてください。
今までの実務経験で2次検定は受検可能?
1級でも2級でも、2次検定受験のための実務経験年数は、あくまで1次検定合格後の実務経験年数ですか?
1次検定の前の経験年数はカウントされませんか?
2024年の新制度では、1次検定合格前の経験年数はカウントされません。
あくまで、新制度では、”1次検定合格後の経験年数”が必要になります。
一方で、経過措置期間は、”旧制度で受験可能”と思われます(詳細は専門機関にお問い合わせください)。
国土交通省の「技術検定制度改正案に関する補足資料」にて、以下のように「第1次検定合格後の実務経験を実務経験として評価する」と記載されています。
さらに、「基礎的な知識及び能力を有した上での施工管理に関する一定の実務を前提とし、この経験を有する者」と記載されています。
そのため、この「基礎的な知識及び能力を有した上での施工管理に関する一定の実務を経験していること」とは、「1次検定合格後の実務経験」と考えられます。
- 第1次検定合格後の実務経験を、施工管理に関する基礎的な知識及び能力を有した上での実務経験として評価する。
- 技術上の管理及び指導監督に係る知識及び能力の判定を目的とする第2次検定は、基礎的な知識及び能力を有した上での施工管理に関する一定の実務を経験していることを前提とし、この経験を有する者に受検資格を認める。
なお、制度変更前だと、1級・2級ともに実務経験が受験要件となっていて、専門学科で学んだかどうかの違いでした。
例えば、専門学科卒の場合は、実務経験が1年必要ですが、文系卒の場合は、実務経験が3年必要というものでした。
新制度では、この”どの学科を出たのか”の違いを、”1次検定に置き換え”しているイメージで、今まで必要な実務経験が長かったのが短くなった人もいるのではないかと思います。
つまり、1次検定が、専門学科卒と同程度の基礎知識などを有しているかを測っているものとなり、”1次検定ありき”の2次検定になっているんですね。
指定学科卒って有利じゃない?
旧制度では専門学科を卒業した者は、実務経験年数が緩和されるといった受験資格が緩和されるアドバンテージがあったかと思います。
検定制度が改正されると、これまでのような実務経験での大きな年数のアドバンテージはなくなりますが、一部試験の免除ができるようになります。
以下のように、大学の建築学科・土木学科を卒業すれば、工学基礎という問題が免除される特典があると考えることができます。
また、「電気・管工事」などについては、”これから検討”されますね。
「学校教育との対応関係」と書かれているので、現段階だと、1級の免除は、大学の専門学科が対象で、高校・専門学校・高専は対象外かと思います。
- 当面、建設業業種と学校教育との対応関係が比較的明確な土木種目、建築種目について実施し、その他の種目については、今後適用の可能性を検討する。
- 大学の土木工学の専門課程卒業者(大学改革支援・学位授与機構により専攻分野を土木工学とする学士の学位認定を受けた者、大学院に飛び入学した者を含む。建築学も同様)を対象とし、土木種目の1級及び2級の一次検定のうち工学基礎に関する問題を免除
- 大学の建築学の専門課程卒業者を対象とし、建築種目の1級及び2級の一次検定のうち工学基礎に関する問題を免除
- 短期大学、高等専門学校、高等学校、中等教育学校の土木工学の専門課程卒業者を対象とし、土木種目2級の一次検定のうち工学基礎に関する問題を免除
- 短期大学、高等専門学校、高等学校、中等教育学校の建築学の専門課程卒業者を対象とし、建築種目の2級の一次検定のうち工学基礎に関する問題を免除
旧「学科試験」に合格してたら技士補になれる?
残念ながら、施工管理技士補になれません。
旧「学科試験」と「1次検定」は内容は似ていますが、”別試験”扱いとなります。
施工管理技士補は、「1次検定」の合格者に与えられる資格です。
こちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ
今回は”改正される施工管理検定”にテーマを絞り、皆さんのコメントを紹介しました。
なお、施工管理検定の新制度で気になる点がある方は、専門機関に直接お問い合わせください。
この記事の内容は以下の動画で解説しています。
理解を深めたい方はこちらの動画もご覧ください。