大工不足が引き起こすトラブルを紹介!人手が足りずに起きている住宅業界の現状
建設業界では人手不足が問題になっています。
人手が足りない中でも、大工の就業者数が大幅に減少していることをご存知でしょうか。
大工は20年前と比較して、半分以下の数に減ってしまいました。
そのため新築住宅やリフォームで不具合やトラブルが多発しています。
本記事では実際のトラブルと大工不足の関係性を考えます。
トラブル事例として、NHKの「クローズアップ現代」で2024年7月2日に放送された住宅トラブルの内容も交えて解説。
建設業界の今を知り、今後の変化にも注目してください。
大工不足の現実!20年前と比較して就業者数は半分以下
木造住宅の建築や修理などを担う大工。
20年前と比較して、半分以下の就業者数に減少しています。
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- 1980年:93万7千人
- 2000年:64万7千人
- 2020年:29万8千人
ピーク時には90万人以上いた大工。
ピーク時と比較すると3分の1以下、20年前の2000年と比較しても半分以下です。
大工不足により新築住宅の7割にトラブル
新築住宅の7割にトラブルがある、という調査報告もあります。
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これは住宅を第三者として住宅診断する、住宅調査会社の検査結果です。
10軒中7軒で不具合やトラブルが発生している計算になります。
不具合の程度にもよりますが、割合としては大きいと言えます。
7割もの新築住宅で不具合やトラブルが発生するのは、大工不足も起因しています。
大工不足のトラブル事例①
実際に起きたトラブルの1つ目は、大工不足の影響で引き渡しが遅れた事例です。
Aさん一家は4年前に戸建て住宅を新築で購入。
完成を2か月後に控えたある日、「引き渡しが遅れる」という連絡がありました。
当時の住居であるマンションは売却済みであり、2カ月間住居がない状況です。
トランクルームに家具を入れ、引き渡しまで仮住まいを転々としました。
引き渡しが遅れた理由は、大工不足により工事が間に合わないとのことでした。
損害費用は工務店が出してくれたものの、遠距離通勤や通園で余計にかかった時間は返ってきません。
購入時や着工前の段階で、大工不足が予測できなかったのでしょうか。
2ヵ月前に引き渡し日が変更されるのは、住宅購入者側の負担も大きいトラブルと言えます。
大工不足のトラブル事例②
大工不足により、施工の質が低下するトラブルも起きています。
先述した、新築住宅の7割に不具合があった調査結果がまさにそうだと言えます。
実際に起きたトラブルの2つ目は、30か所以上の不具合が見つかった事例です。
Bさんは2年前に1,800万円で大規模なリフォームを発注。
リフォーム後に雨漏りが発生し、葺き替えた屋根に隙間ができていたことが判明しました。
雨樋の裏にひび割れや、押入れの壁からネジが飛び出すなど、不具合は合計30か所以上でした。
こんなに多数の施工トラブルがあったのは、経験の浅い大工が施工していたことが原因でした。
人手不足で熟練した大工がおらず、技術の未熟な大工が現場に入らざるを得ない状況です。
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大工が足りないことで、住宅の品質にも変化が出ていると言えます。
このトラブルは大きな問題です。
まとめ:大工の人手不足・トラブルは他人事ではない
大工不足によるトラブルとして、受け渡しが遅れた事例と、30か所以上不具合が見つかった事例を紹介しました。
建築業では人手が足りないのは大工だけにとどまりません。
職人の人手不足は始まっています。
今後もこのようなトラブルは起きるでしょうし、他人事ではありません。
これからの建設業の動きにも注目すべきでしょう。
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