ゼネコンが完全週休2日で施工する方法|地場ゼネコン沼田土建のICT活用術

「週休2日は建設業界で実現困難!」
そんな声が聞こえる建設業界で、地場ゼネコンの沼田土建が週休2日施工を実現しています。
土日の完全休業、残業ほぼゼロの働き方が可能になった理由はどこにあるのでしょうか?
沼田土建の山口さんに、ICT活用術をお聞きしました。
従来の働き方を一新し、新技術やICT施工の導入、業務分業化によって実現した職場環境改善の秘訣に迫ります。
さらに、週休2日が当たり前となった背景にある、国の政策も紹介します。
これを読めば、未来の建設業界の姿が見えてくるかもしれません。
沼田土建では、2億円近い工事を20代技術者の2人で担当。
若手技術者が施工を担当できる理由は、以下の記事で紹介しています。
週休2日で施工する地場ゼネコン沼田土建の残業・休日事情
沼田土建では週休2日制度を実施。
基本的に土日は完全に休みです。
会社が週休2日でも現場が動いていて休めない!
これはゼネコンや施工管理業界に、よくある現象です。
沼田土建では、現場も閉所して週休2日を実施。
現場が無いからといって、内業のために出社はしません。
有意義に休日を過ごしている、と山口さんは語ります。
さらに残業もほぼゼロ。
トラブル時の残業はあるものの、残業して仕事を終わらせるスタイルではありません。
3月の竣工に向けて事前に準備しているため、年度末に残業や休日出勤が増えることもありません。
週休2日かつ残業ほぼゼロで、2億円近い規模の現場。
これを2人だけで受け持っているのは驚きです。
山口さんは「2人でもできるよう、作戦を練る必要がある」と教えてくださいました。
地場ゼネコン沼田土建が週休2日施工を達成できた理由
10年前はこのような施工体制ではなかった、と山口さんは言います。
同じ規模の工事を3人で、土日出勤や残業して、終わらせていました。
地場ゼネコンである沼田土建が週休2日で施工できるようになったのは、以下の理由のためです。
- 新しい技術の導入
- ICT施工専門の企画室
- 書類作成を分業化
これらの理由により、ホワイト化・省人化に成功しています。
理由①:新しい技術の導入
話題になっているICT施工のように、沼田土建ではさまざまな新しい技術を導入しています。
新しい技術として、追尾式の1人で測量ができるものに変更。
さらに3次元データも活用し、測量にかかる時間を大幅に短縮しました。
沼田土建だけでなく、協力業者も新しい技術の導入に積極的です。
データを入れて建機を動かす際は、データを山口さんが作成し、協力業者が保有する建機を使用。
沼田土建と協力業者で、ICT施工のパターンができあがっています。
このような新しい技術の導入は、職場環境改善に大きく貢献しています。
理由②:ICT施工専門の企画室
沼田土建では、ICT施工の効率化を目的として、専門の企画室を設置しています。
工事担当者だけでなく、自社で設計データの作成を行える環境です。
- 設計データの作成
- 3次元の起工測量
- レーザースキャナー
- ドローンによる空中写真撮影測量
山口さんの場合は企画室を併用しながらの設計ですが、現場によっては作業をすべて企画室に任せるケースもあります。
現場に専念して、最新のICT施工が行えます。
理由③:書類作成を分業化
施工管理・現場監督の仕事の中で、書類作成は負荷が大きいといえます。
山口さんは「現場の担当者だけでなく分業化も必要」と言います。
1人の現場監督がすべての書類を作る、これはとても大変です。
書類作成を分業化することにより、現場監督の負担を減らせます。
スリム化ガイドも週休2日に貢献
工事書類を必要最低限に簡素化する目的の、スリム化ガイド。
これにより官側が無理な要求をしなくなった点も、週休2日に大きく貢献しています。
参考:土木工事電子書類スリム化ガイド(ver.3.0)|関東地方整備局
スリム化ガイドにより、工事書類の作成者が明確になりました。
説明資料として必要なものは提示するものの、不必要な書類はスリム化ガイドに従って作成有無を検討できます。
不要な書類を「作成してください」と国から言われなくなりました。
とくにダイジェスト版といわれる写真をまとめた書類。
分かりやすいものの大変な作業だったため、作成不要になり手間が減りました。
週休2日を推進している国も、スリム化ガイドのような具体的な対策をしています。
書類作成が減ったのも、地場ゼネコン沼田土建にとっては、週休2日を実現させる追い風となりました。
まとめ:地場ゼネコン沼田土建は週休2日で施工できるようICTを活用できている
群馬県の地場ゼネコンである沼田土建。
週休2日かつ残業ほぼゼロで施工できるのは、ICTを活用できているからです。
働き方改革してホワイトになった、整備ができてきた段階です。
これからもっと進展させないと、と思います。
業界全体で、30~40代の中堅世代が少ないのが現状です。
今後は人員が減ることを考えて、技術継承していく必要があります。
週休2日を実施するゼネコンが増えるには、会社がICT施工のような新しい技術を導入する必要があります。
株式会社ライズでは、2024年にICT施工セミナーを実施しました。
その様子・内容は以下の記事で紹介しています。
この記事の内容は、以下の動画で解説しています。あわせてご覧ください。