建設DXの現状とは?BIM・ICT施工・監理技術者テレワークの課題を徹底解説
建設業界のDXは、今どこまで進んでいるのでしょうか?
大手ゼネコンはBIMを推進し、土木現場ではICT施工が広がっています。
監理技術者のテレワークなど、働き方のルールも変わり始めました。
しかし、現場からはこんな本音も聞こえてきます。
「導入はしたけれど、正直、効果を感じない」
制度や技術の裏側で、多くの会社が使いこなせない壁にぶつかっているのです。
そこで本記事では、建設DXの最新の現状と課題を、3つのテーマで整理します。
- BIMを導入した約7割が「効果なし」と感じている現状
- 監理技術者のテレワークが認められた背景
- ICT施工により国が目指す「省人化」の方向性
建設DXは、やらない会社は取り残されてしまう段階まで来ています。
自社がどこから手をつけるべきか、その判断材料としてぜひ参考にしてください。
建設DXの現状①:BIMは76%が導入したが約7割「効果なし」

過去に株式会社Arentが建築関係の152社を対象に行ったアンケートでは、76%がすでにBIMを導入済みでした。
つまり約4分の1の会社は、まだ触れてもいません。
そのうち導入効果を得られていると感じた会社は、わずか32%。
つまり約7割が、思った効果を実感できていないと感じています。
出典:【第1回Arent調査】BIMデータを効果的に活用している企業は3割に留まる。入力作業の手間が課題。
なぜ、これほど効果が得られないのでしょうか?
理由はいくつかありますが、大きな課題になっている2重作業が挙げられます。
- 既存CADとの組み合わせで2重作業が生じる
- 確認申請で紙やPDFが必要になり手間が増加する
- 協力会社にBIMが導入されておらず連携ができない
完全にBIM化されていないため、CADや紙などの作業も必要となっているのが現状です。
これでは本当の建設DXとはいえません。
BIMを導入した7割以上の企業が効果を感じていない理由3選については、以下の記事を参考にしてみてください。
建設DXの現状②:監理技術者のテレワークがOKになった

図面を作る作業だけでなく、現場でも変化が起きています。
監理技術者は原則「専任」、つまり1つの工事に専属で就き、現場に常駐するのが基本でした。
特定の技術者がその工事だけを担当し、原則として現場に居続けること。
品質確保のための仕組みですが、柔軟な働き方とは両立しづらい面がありました。
常駐が前提だと、無理も生じますよね。
例えば、育休が取りづらかったり、書類作成のためだけに片道1時間かけて現場へ通ったりなどです。
その書類、家でもできるのでは?
そんな声に応える形で、2024年4月より働き方のルールが柔軟に見直されました。
参考:「監理技術者制度運用マニュアル」を改正しました~専任の取り扱いを明確化~|国土交通省
もちろん、現場確認までゼロにはできません。
でもウェアラブルカメラやZoomを活用し、遠隔で現場を見られるようにする。
技術者を現場に縛りつけない方向へと、少しずつ動いています。
監理技術者の在宅ワークに関するマニュアル改正を詳しく知りたい人は、以下の記事をお読みください。
建設DXの現状③:ICT施工は未経験者のため

建設DXが進み、ICT施工という言葉もよく聞くようになりました。
この章ではジョウ所長に実施いただいたセミナーより、「ICT施工とは」の部分を解説します。
ICT施工とは、3次元データを活用した見える化と効率化で、現場の生産性を高める方法。
測量から施工・検査までを3次元設計データで一貫させ、工期を約20%短縮することを目指しています。
ここで押さえたいのが、国の方針の変化です。
国土交通省は今、生産性向上よりも省人化を前面に出しています。
人手が減る前提で、少人数でどう回すか、という発想です。
そしてICTの本質は、意外なところにあります。
そうした環境をつくるのがICTです。
「新人は使い物にならない」こんな時代は、もう終わりつつあります。
導入のタイミングは、今が絶好機。
国の後押しと技術の成熟で、5年後には標準技術になるでしょう。
ジョウ所長の本音では「少し遅いくらい」で、うまみのピークは過ぎつつあると語ります。
それでも、未着手の会社が多い今ならまだ間に合う段階です。
5年後には、発注者から「3次元でやらないのですか?」と問われる時代が来ます。
国は予算を割いて評価している分、やらない会社は選ばれにくくなっていくでしょう。
パソコンやICTが得意な若手に、どんどん図面作成などを任せています。
ICT専門事業部として、適正に応じて働ける仕組みです。
ベテランは経験値を活かす・先端技術は若手に預けてみる。
適材適所になるような形で、ICT施工を進めています。
初めてのICT施工セミナーの様子は、以下の記事で紹介しています。
まとめ:建設DXは「やらない会社が取り残される」段階
BIMもICTも、導入そのものより、日々の施工管理にどう組み込むかが本当の課題です。
監理技術者のテレワークのように、働き方も変わり始めています。
結婚を機に県外へ移り、テレワークで技術者を続ける。そんな新しい選択肢も生まれていくでしょう。
国は予算と評価で、DXを強く後押ししています。
5年後の標準化を見据えるなら、着手すべきは「いつか」ではなく「今」でしょう。
この記事の内容は、以下の動画で解説しています。あわせてご覧ください。


