元請と下請の施工管理の違い5選!セコカン初心者向けの分かりやすい解説

これから施工管理職を目指す人の中には、元請と下請の違いが分からない人もいるでしょう。
この違いが分からず就職してしまうと、「思っていた仕事と違う」とギャップに苦しむ可能性があります。
そこで本記事では、元請と下請施工管理について5つの違いを解説。
- 専門性
- 業務範囲
- 職人との接点
- 現場の労働環境
- 資格
これから施工管理職を目指す人は、この違いをぜひ知ってください。
元請と下請の違い①:専門性
元請と下請の施工管理では、専門性に違いがあります。
分かりやすく表現するなら、元請施工管理はオールラウンダー。
元請はビルや橋など、構造物を丸ごと建設する目的があります。
一方、下請施工管理は、エキスパートです。
マンションの建設工事を例に挙げましょう。
マンションの建設には、以下のような様々な工事があります。
- 基礎工事
- 鉄筋工事
- コンクリート工事
- 内装工事
これらをまとめたものが、建築一式工事です。
元請はこの一式工事を請け負います。
元請けの施工管理は、さまざまな工種の知識・技術を覚える必要があります。
そのため、元請施工管理はオールラウンダーといえるでしょう。
例に挙げた建築一式工事のうち、内装工事は内装屋と呼ばれる内装専門工事会社に依頼します。
この専門工事会社は下請施工管理を行うため、エキスパートと表現できます。
元請はさまざまな工事で構成される一式工事を管理。
構成要素となる各専門工事を実施するのが、下請施工管理。
元請と下請の施工管理には、オールラウンダーとエキスパートの違いがあります。
元請と下請の違い②:業務範囲
元請と下請の施工管理には、業務範囲に違いがあります。
元請施工管理は、下請よりも仕事の範囲が広くなります。
さまざまな工事を統括するのが、元請施工管理です。
下請相手に、元請は以下の業務が必要です。
- 見積
- 契約
- 現場の段取り
- 日程調整
- 現場の配置
もしも下請が20社いれば、それぞれにこれらの業務を行います。
しかもこの下請は、工種もさまざまです。
さらに元請施工管理は、以下の対応も求められます。
- 施主(発注者)対応
- 近隣住民対応
- トラブル対応
つまり元請施工管理は、仕事の範囲が広く業務量が多い特徴があります。
元請と下請の違い③:職人との接点
職人との接点にも、違いがあります。
下請施工管理のほうが、職人に高い関与度があります。
現場で施工する職人と下請施工管理は、密接なやり取りが必要です。
元請になるようなゼネコンが職人を直雇用するケースは珍しく、多くは下請に所属しています。
そのため、下請施工管理は、職人と接する機会が増えます。
法律上、仕事の指揮命令は自社社員が出すもの。
元請が職人を直接雇用していない場合、指示を出すことはできません。
元請と下請の違い④:現場の労働環境
現場の労働環境は、元請と下請の施工管理で違いがあります。
なぜならば、働く環境は元請次第だからです。
例えば現場では、以下の項目は元請によって決められます。
- 現場事務所
- 休憩所や仮設トイレ
- 現場の休日
元請が土曜日も仕事をするならば、下請は土曜出勤が必要です。
さらに使うツールも、元請に合わせる必要があるでしょう。
下請施工管理は、元請に環境を合わせる必要があります。
元請と下請の違い⑤:資格
元請と下請では、必要な資格にも違いがあります。
下請は2級施工管理技士を持っていれば、ほとんどの仕事ができます。
しかし元請施工管理は、2級施工管理技士では務まりません。
元請の場合、1級施工管理技士を取得しなければ、仕事にならないケースも多々あります。
その理由は、建設業法にあります。
下請の仕事には主任技術者が必要ですが、これは2級施工管理技士があればOKです。
一方元請の仕事には、監理技術者の設置が必要。
監理技術者は、1級施工管理技士でなければなりません。
主任技術者と監理技術者については、2024年12月に法改正がありました。
詳しくは以下の記事をお読みください。
もちろん下請施工管理でも、1級施工管理技士を取得する人もいるでしょう。
ただし法律上・理屈上でいうと、下請は2級施工管理技士で十分な場合もあります。
まとめ:元請と下請では施工管理の働き方が違う!
同じ施工管理でも、元請と下請で違いがあります。
施工管理職への挑戦を検討している人は、違いを理解して就職しましょう。
- 専門性:元請はオールラウンダー
- 業務範囲:元請は広い範囲の対応が必要
- 職人との接点:下請が密にやり取りする
- 現場の労働環境:元請次第
- 資格:下請は2級施工管理技士で十分な場合もある
施工管理で重要度の高い仕事については、以下の記事が参考になります。
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