建設コンサルタントは何をする?現役社員が語る人物像と道のり

「建設コンサルタントって何をするの?」
橋やダムなどの土木インフラを支えるプロとして活躍する建設コンサルタント。
その仕事内容や働く人のイメージは、意外に知られていません。
本記事では、建設コンサルタント現役社員へのインタビューをもとに、以下の内容を解説します。
- 建設コンサルタントの仕事内容
- 働く人の人物像
- 入社までの道のり
答えてくださったのは、環境が専門のツーブロさんです。
- 駒場東邦高等学校を卒業
- 東京工業大学→大学院を修了
- 大手建設コンサルタントに就職
- 入社して14年目
- 技術士を取得済み
土木業界への就職・転職を考えている方、必見です。
建設コンサルタントは何をするのか?
国土交通省の資料では、建設コンサルタントについて以下のように説明しています。
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道路、河川、ダム等の社会資本整備は国民の生命と暮らしを守り(中略)重要な土台を築いてきました。
建設コンサルタントとは、これらの社会資本の実現に向けて、調査計画や設計等に関する技術コンサルティングサービスを行うこと(またはそれを行う人のこと)です。
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ビルやマンションを設計する会社を、建築設計事務所といいます。
一方で土木では、橋や道路を設計する会社は、建設コンサルタントといいます。
土木設計事務所とはいいません。
土木では橋やダムなどの大きな工事は、プロジェクト規模になります。
事前調査や予測などの設計以外の仕事もするため、設計事務所ではなく「建設コンサルタント」と呼ぶのでしょう。
ツーブロさんの会社創業者が、建設コンサルタントの言葉を作ったといわれています。
国土交通省からダム建設を依頼されたのが、この業界の始まりでした。
建設コンサルタントは何をするのか?という問いには、土木に関する設計や計画をする会社と答えられます。
建設コンサルタントの仕事内容
建設コンサルタントの仕事内容として、ツーブロさんの業務を紹介します。
ツーブロさんは、計画を立てるための条件を考える仕事をしています。
担当している分野は、ダムや川・海など水に関わる領域です。
設計:インフラの図面を描く
計画:プロジェクトの計画を立てる
小さな建設コンサルタントであれば、設計のみ行うケースもあります。
大手建設コンサルタントでは、計画から国家プロジェクトに携わります。
例えばダムの建設であれば、以下のような仕事をします。
- ダムの大きさや形式
- 地面や地盤の調査と具体的な建設場所
- 環境アセスメント
※環境アセスメント・・・事業が環境に与える影響を事前に調査・評価する制度です。
ダムの場合は計画には3年ほどかかり、7~8年かけて建設。
具体的な年数は、国が主導して決めます。
国土交通省とのやり取りや、関係機関との協議も仕事です。
色々な仕事内容があるため、「事業の全体像を把握することが大事」とツーブロさんは言います。
調査にも時間をかける必要があり、長期にわたり多様な業務をする仕事といえるでしょう。
建設コンサルタントで働く人の人物像
建設コンサルタントで働く人には、どのようなイメージを持っていますか。
ツーブロさんは、視座が高い人が多い、と教えてくれました。
建設コンサルタント協会で会う人たちからは、業界の問題や将来を真剣に考えている姿勢が見て取れるそうです。
現場で働く人の、安全意識の高さに驚いたとも語っていました。
現場の人は安全に対する意識が高く、建設コンサルタント側が怒られるケースもあるそうです。
建設コンサルタントに入社するには何をする?
大手の建設コンサルタントに入社するには、何をしたらいいでしょうか。
新卒と中途入社に分けて、ツーブロさんの会社の例を聞きました。
新卒で入社する場合
土木ではさまざまな工事をします。
そのため専攻学科は、土木系に限る必要はありません。
- 環境工学部
- 教育学部(生物)
- 理学部
「入社してそれから勉強する」と、ツーブロさんは言います。
ツーブロさんの場合は、理学部から理工学部に進み水理学を学んだのが、入社できた理由だそうです。
土木系の割合が高いと感じているそうです。
その他にも農業土木も多くいます。
学部卒よりも大学院卒が有利とは限りません。
学歴よりも能力を重視して、採用・入社しています。
中途で入社する場合
他の大手建設コンサルタントから、中途入社するケースは多くありません。
暗黙のルールがあり、転職してくる人はいなかったためです。
ただし、大きめの中堅企業から転職してくる人はいます。
ほとんどが経験者だと、ツーブロさんは言います。
まとめ:建設コンサルタントは業務内容が多岐にわたる!
建設コンサルタントは、橋やダムなどの土木に関する設計や計画をします。
ただ設計するだけでなく、環境や地盤を調査し、国や関係機関とも協議します。
業務内容が多岐にわたるため、事業の全体像を把握しながら進めなければなりません。
土木系の就職先は、建設コンサルタントの他に土木職員として働く方法もあります。
土木職員の仕事内容の実態については以下記事で説明しています。
この記事の内容は、以下の動画で解説しています。あわせてご覧ください。