1級建築施工管理技術検定|令和6年度の2次記述はこんなに変わった!
2024年10月20日に、建築施工管理技術検定の1級第二次検定がありました。
今年度は施工管理技術検定について、様々な改正が行われた年。
第二次検定の記述問題も、改正があると言われていたので、対策に苦戦した人もいたでしょう。
本記事では実際の試験問題を令和5年度と令和6年度で比較しています。
自身の経験した工事について解答する形式から、工事概要が与えられる形式に大きく変更しました。
令和7年度の受検を検討している方は、この記事を読んで対策を考えていきましょう。
令和5年度の1級建築施工管理技術検定2次記述問題
令和5年度の1級建築施工管理技術検定第二次検定では下記の問題が出題されました。
———-
———-
自分の施工した工事について工事名や場所・内容などを記載する、記述形式。
さらに昨年度は「品質管理」について、具体的な作業や理由・結果を問われていました。
問題はもう1つあり、こちらでも自身の経験を踏まえて記述させる形式でした。
過去の問題では、実際に工事を行っていなくても丸暗記で合格できる形式となっていました。
技術検定不正受検防止対策委員会にて、「暗記できない試験内容に変更する」と提言され、令和6年度から改正されました。
ずっと変わっていなかった、1級建築施工管理技術検定2次試験の出題形式。
令和5年度までは、丸暗記で対応できました。
令和6年度の1級建築施工管理技術検定2次記述は工事例が示された
令和6年度の1級建築施工管理技術検定第二次検定では、下記が出題されました。
———-
———-
最初の問いから、今までと180度変わった出題形式になったことが分かります。
持続可能・働き方改革、のように、現代の課題に即した問題が出題されています。
さらに下記のように、工事概要が示される形式に変更。
自信の工事経験については問われていません。
———-
———-
工事概要が1ページにまとめられており、想定して問題に解答する形式です。
問題内では、与えられた工事概要から有効とされる現場作業の軽減策を3つ提案するよう求められています。
具体的には下記の内容を問われています。
- 軽減策を提案する工事や作業の名前
- 軽減対策やその理由
- 確保すべき品質と留意事項
今までとは大きく出題形式が変更されました。
- 指定の建物の建築と関係の無い内容
- まったく違う建物に変更した上での軽減策
- 軽減策により工期が遅れる内容
- 工期が短くなるが負担の増える内容
- 建築でなく設備工事の軽減策
さらに工事概要では細かく材質や大きさが指定されています。
詳しくはこちらのページのpdf3/16ページ目をご参照ください。
工事概要を読んで「木造しかやったことない!」と焦る人もいるでしょう。
しかし問題では、外部/内部/外構を細かく指定しています。
これらは木造建築にも共通する部分もあるので、どんな経験者でも書けるように出題されていると言えます。
土木よりも大きく試験・記述内容が変更されたと言える、1級建築施工管理技術二次検定。
工事概要が与えられる形式ですが、RCや木造といった構造に左右されない問題が出題されたと言えます。
令和6年度の1級建築施工管理技術検定2次記述は残業規制についての問題も出題された
問題の2つ目として、残業規制に関する内容が出題されました。
———-
———-
建設業は長時間労働であることについて、原因と具体的な理由を問われています。
さらに組織としての取り組みや工夫も記述解答が必要です。
建設業の残業規制については、今起きている問題として受注減・経営不振も挙げられます。
くわしくは下記記事にて解説しているので、あわせてお読みください。
令和6年度の1級建築施工管理技術検定2次記述は大きな変化があった
令和6年度の1級建築施工管理技術検定の2次の記述問題は大きく変化しました。
自身の工事経験を書く内容から、与えられた工事概要から想定しながら書く形式になっています。
土木は建築ほどそこまで大きな変化があったとは言えません。
土木の1級施工管理技術検定については下記記事にて解説しています。
土木の問題を作る機関と、建築の問題を作る機関は、どちらも国土交通省の管轄の団体です。
ただし違う団体であるので、その差により令和6年度は建築が大きく出題形式が変わったと言えるでしょう。
来年度も同じような形式で出題される可能性は高いと言えます。
工事概要から想定して解答する形式であっても、設問のテーマはまだ予測が困難です。
施工管理チャンネル by 株式会社ライズでは、施工管理技術検定の情報を発信しますので、チャンネル登録してお待ちください。
まとめ:来年度1級建築施工管理技術検定も同様の記述問題の可能性が高い
令和6年度の1級建築施工管理技術検定では、昨年と比べて大きく出題形式が変更されました。
- 自身の経験した工事を書く出題形式は無し
- 工事概要に示された工事を想定して解答
- 残業規制のように現代的な課題についての問題も出題
令和7年度に受検される方は、令和6年度の出題形式から対策をたててください。
施工管理技術検定合格を心よりお祈りしています。
この記事の内容は、以下の動画で解説しています。あわせてご覧ください。