RIZAPグループの建設業参入は2回目|タツミプランニング売却の前例
RIZAPグループといえば、「結果にコミットする」トレーニングジムとして広く知られています。
しかし実は、美容・食品・アパレルなど多岐にわたる企業をM&Aで傘下に収め、「ライフスタイル全般」を事業領域とする企業グループでもあります。
そして今、建設業参入が注目を集め始めました。
驚くべきことに、RIZAPグループの建設業参入は今回が「初めて」ではありません。
そこで本記事では、約10年前に行われた最初の建設業参入の経緯と結末を振り返り。
今回の動きをどう見るべきかを解説します。
「今後どうなるの?」のように動向が気になる人は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
RIZAP GROUPの「M&A」と「負ののれんビジネス」

RIZAPグループはM&Aに積極的であり、これまで数多くの企業を買収してきました。
その業種は多岐にわたります。
- ジャパンギャルズ(美容機器・化粧品)
- エンジェリーベ(マタニティ用品)
- イデアインターナショナル(インテリア・キッチン雑貨)
- ジーンズメイト(衣料品)
- 夢展望(衣料品)
かつてRIZAPが注目されたのは、「負ののれんビジネス」の会計手法によるものでした。
企業の本来の価値(純資産)より低い価格でM&Aを行った場合、その差額を「利益」として計上できる会計上の処理のこと。
買収した瞬間に帳簿上の利益が生まれるため、複数件繰り返し利益を積み上げられる。
買収した企業の再生がうまくいかないケースもあり、一時期は業績が悪化した時期もありました。
しかし、チョコザップの展開で再び注目を集めています。
こうした「スピード感のある意思決定」はグループ全体の特性でしょう。
RIZAPによるタツミプランニングの買収と売却

2016年、RIZAPグループは、神奈川県・横浜を中心に注文住宅とリフォームを手掛ける「タツミプランニング」を買収。
建設業に初参入しました。
タツミプランニングは年間500棟規模の注文住宅・リフォームを手掛け、2015年にはグッドデザイン賞も受賞した、実力のある会社です。
買収額はおよそ25億円。売上高約95億円の企業を、その3分の1以下の価格で取得したかたちです。
グループ内の雑貨ブランドとも連携した、ライフスタイル全般のサービスを確立できると考えていたのです。
参考:健康コーポレーション<2928>、注文住宅・リフォームのタツミプランニングを子会社化|M&A Online
しかし、その3年後の2019年。
RIZAPグループはタツミプランニングの住宅・リフォーム事業を高松建設へ約15億円で売却すると発表します。
買収から撤退まで、わずか3年でした。
ちなみにタツミプランニングが展開していたメガソーラー事業(太陽光発電)は赤字だったため、高松建設への売却対象外。
結果として、25億円で買った会社のうち、メインの住宅事業を15億円で売却するかたちとなりました。
参考:ライザップ、住宅事業を高松建設に売却|日経クロステック
RIZAPの2回目建設業参入はどうなるか?

現在、RIZAPグループは「RIZAP建設」を設立し、再び建設業に参入しています。
スタッフ約50名からのスタートで、今後500名規模への拡大を計画中です。
今回の参入を前回と比較すると、大きく異なる点があります。
前回のタツミプランニング買収は「実績ある企業の取得」でしたが、今回は新規設立による参入です。
M&Aに精通したRIZAPグループの手法から、業界では「今後の展開」についてさまざまな見方があります。
一定の利益基盤が整った段階で、建設系企業へ売却するシナリオも、M&Aに慣れたグループとしては選択肢のひとつです。
もちろん、そのまま事業として成長させる可能性もあります。
ただしこれはあくまでも公共工事。
民間工事には反映されるか不明なため、賃金上昇しない可能性もありえます。
標準労務費・職人単価の上昇については以下の記事も参考にしてみてください。
前回は3年で撤退という結果でしたが、今回の参入がどのような軌跡をたどるかは、今後の動向を見守るほかありません。
まとめ:RIZAP建設の行方は今後の動きに注目
RIZAPグループの建設業参入は、今回が2度目です。
2016年のタツミプランニング買収では、グッドデザイン賞受賞の実力企業を取得。
しかし、3年後には住宅・リフォーム事業を売却するかたちで撤退しました。
今回のRIZAP建設は新規設立であり、異なるアプローチを取っています。
建設業界の人手不足が深刻化するなか、人材をどう活かしていくのか。
グループ全体の戦略とあわせて、引き続き注目していきたいところです。
この記事の内容は、以下の動画で解説しています。あわせてご覧ください。
