大林組の「猛暑で作業時間短縮」7時〜13時に|職人・施工管理の本音は?

/
タイトル:スーパーゼネコン大林組の猛暑対策

猛暑が当たり前になった建設現場。
熱中症対策は、いまや命に関わる経営課題です。

そんな中、スーパーゼネコンの大林組が打ち出したのが「夏場の作業時間短縮」。
働きやすくなりそうな取り組みですが、現場からは反対の声も聞こえてきます。

そこで本記事では、次の3つを整理します。

  • 大林組の猛暑対策の中身
  • 職人の立場から見た「作業時間短縮」の本音
  • 施工管理(監督)から見た負担とリスク

猛暑となる7月と8月は、朝7時から午後1時までの6時間で現場を動かす方針を打ち出しています。
しかし制度としては前向きでも、現場に落とすと課題は山積み。
給料や発注のあり方が気になる人は、ぜひ参考にしてください。

大林組の猛暑対策とは?夏場の作業時間を「7時〜13時」に短縮

大林組は熱中症対策として、7月・8月の作業時間を朝7時〜午後1時の6時間に短縮する方針を示しました。
狙いは、暑さ指数(WBGT)が上がりきる前に作業を集中させることです。

WBGTって?
気温・湿度・日射をもとにした「暑さ指数」。
この数値が高いほど熱中症リスクが上がるため、上昇前の午前中に作業を終える設計になっています。

労働基準法では、労働時間が6時間までなら休憩なしでも問題ありません。
7時〜13時はちょうど6時間。
ただし夏の炎天下で無休憩は現実的でないため、10分〜20分の休憩を入れるのではないでしょうか。

対象は作業環境や内容を踏まえて選ばれ、すべての現場で一律に導入されるわけではありません。
工期が心配な場合は、涼しい時期に作業時間を延ばして年間で調整するとしています。

参考:猛暑期間における建設現場の作業時間帯を変更する取り組みを開始|大林組

ちなみに厚生労働省の調査では、熱中症による死亡者のうち建設業が約3分の1を占めています。
2021年以降の発生は、7〜8月に約8割が集中しているとされ、猛暑対策は必要とされているのが現状です。

出典:2025年(令和7年)職場における熱中症による死傷災害の発生状況|厚生労働省

職人の本音|大林組の作業時間短縮で給料は減らないのか?

現場を支える職人からは、賛成ではない声が多く上がっています。

職人からの意見①:近隣クレームが増える

朝7時に開始すると、早朝から重機や作業による騒音が発生してしまいます。
山奥の現場であれば問題ありませんが、街中ではトラブルになるでしょう。
とくに戸建住宅のような近隣住民との関係性が重要となる現場では、クレームは避けたいものです。

職人からの意見②:交通・物流網が動いていない可能性

電車で集合する職人の場合、始発電車で間に合うとは限りません。
また資材を運ぶトラックの物流網も心配されます。

職人からの意見③:実質的な夜勤になってしまう

7時に現場に入るには、6時半集合となります。
そのため朝3〜4時に起きなければならないケースもあるでしょう。
睡眠と生活リズムが狂ってしまうため、体調を崩してしまうリスクが考えられます。

さらに実質的な夜勤になると、家族との生活リズムもすれ違ってしまいます。
共働き世帯や小さな子どもがいる場合は、家族にも負担がかかってしまいますよね。

職人からの意見④:炎天下の中帰宅しなければならない

13時に現場が終わると、最も暑い時間帯の退勤が待っています。
自家用車で通うスタイルではなく、乗り合いで移動する職人がほとんどです。
また公共交通機関を使う場合も、荷物を持っての移動は大変でしょう。

職人からの意見⑤:給料が下がる

職人の中には日給制で働く人も多くいます。
大林組の猛暑対策では、作業時間が短縮されているため、「労働時間が減る=給料が下がる」
稼げない現場となるため、行きたくないという声もありました。

給料がどうなるのかは未発表です。
もし労働時間が減って給料も下がるなら、通常どおり8時間働ける現場へ行く職人がほとんどでしょう。

職人からの意見⑥:秋や冬の現場が崩壊する

大林組の猛暑対策では、夏に減らした分を秋や冬へずらして調整するとしています。
しかし秋や冬が過密スケジュールになるのでは、と現場崩壊を心配する声もありました。

施工管理の負担|作業時間を短縮しても労働時間は減らない?

見落とされがちなのが、施工管理(監督)への影響です。
労働時間が増えてしまうのではないか、と疑問の声があがっています。

職人が13時に上がっても、監督の仕事は終わりません。
書類作成や翌日の段取りが残るため、結局夕方までかかります。
しかも朝は職人より早く現場を開けるので、7時始まりなら6時前には出勤することに。

つまり監督は開始が早まるだけで、終了は変わらないのです。
労働時間が純増しかねないだけでなく、早朝稼働で増える近隣クレームの対応も監督に回ってきます。

まとめ:大林組の猛暑対策は「工期調整」と「賃金」が最大の課題

大林組の猛暑対策は、職人の安全と品質・生産性の維持を狙った前向きな取り組みです。
ただし現場では、工期調整と賃金が課題になっています。
夏に減らした分を秋冬に延長すれば、その時期の残業過多や人手の奪い合いを招きかねません。
さらに、実働が短くなる分の日当をどう扱うかが決まらなければ、優秀な職人ほど通常8時間働ける現場へ流れてしまうでしょう。

以前紹介した「ゼネコンの完全週休2日」と同じで、鍵を握るのは発注のあり方かもしれません。
工期に余裕を持たせる仕組みがなければ、しわ寄せは下請けと現場監督に向かうでしょう。

ゼネコンの完全週休2日はいつ?日建連ロードマップが示す「2035年」

2026.07.21

大林組の猛暑対策が定着するかは、今後の動きに注目です。

この記事の内容は、以下の動画で解説しています。あわせてご覧ください。

施工管理 専門の転職エージェントに登録すれば有利な転職ができます。

  • 業界30年以上の歴史と信頼
  • 役員クラスのコネクション
    で有利な転職
  • 給与交渉も無料で代行

株式会社ライズは施工管理専門の転職エージェントサービスを提供しています。転職エージェントサービスにご登録いただくと、施工管理の転職に精通した専属エージェントが、ご希望に沿った求人をリサーチし、あなたのご経験やスキルを求める企業をご紹介します。ご希望があれば、職務経歴書の添削や面接対策・給与交渉まで代行するなど、あらゆる転職サポートを無料で受けることができます。

ライズの強みは、業界30年の実績により、多くの取引先企業の役員クラスと幅広いコネクションを持っている点です。役員クラスから直接お預かりしている非公開求人を多数取り扱っているため、普通では出会えない好条件の求人をご紹介することが可能です。さらに、専属のエージェントを経由して、あなたの魅力を企業側へプッシュしてもらえるため、お一人で選考を受けるよりも内定の可能性を一気に高めることができます。

まずはお気軽に以下のボタンより転職エージェントサービスにご登録ください(無料)

\転職エージェントに/